敷地共同化推進事業

2023年7月、平塚駅周辺地区の再開発等を見据えた敷地の共同化を推進するため、地権者の共同建替えに向けた活動を支援する制度が平塚市により設けられました。

 

支援内容は、次のようになっています。

 

  1. 敷地共同化アドバイザー派遣
    • 専門家(アドバイザー)を派遣し、市街地の整備等の専門的な見地から、共同建替えに関する助言及び指導を実施
    • 年間6回以内の派遣で、無料
  2. 敷地共同化推進事業補助金
    • 共同建替えの活動に要する広報や調査等の費用を補助
    • 年間上限20万円

 

再開発の難しい点」では、「地権者等の合意形成」「再開発資金の確保」「再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか」の3点を挙げました。

この事業は、「地権者等の合意形成」「再開発資金の確保」をカバー、または一部カバーするものと思われます。

 

敷地共同化アドバイザー派遣は、地権者等の合意形成の助けになるでしょう。

また、再開発資金の確保に直接は影響しないものの、アドバイザーによる助言や敷地共同化は、資金確保の具体化や負担軽減に役立つと考えられます。

 

しかし、「再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか」については、カバーできるのか怪しいです。

この支援制度がどこまで利用されるか分かりませんが、利用が進んだとして、比較的大きな土地はマンションに、小規模であればアパートになりそうです。

(立地により、商業機能が一部入る可能性があります)

 

マンションやアパートが増えることで地域の人口が増加し、それに伴って平塚駅周辺地区で生活用品を中心とした需要が高まることは考えられます。

しかし、「平塚駅周辺地区将来構想」で述べられている「平塚駅周辺地区の将来のあるべき姿を共有」し、「持続可能なまちづくりを実現できる」か、疑問を持たざるを得ません。

 

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概要

「平塚駅周辺地区将来構想」は、平塚市が進めている取り組みです。

「平塚駅周辺地区の将来のあるべき姿を共有し、民間の投資意欲を高め、敷地の共同化を推進し、持続可能なまちづくりを実現するための構想」と紹介されています。

 

2022年(令和4年)には、この業務委託に係る公募型プロポーザルが実施されました。

5社の応募があり、受託候補者として株式会社アルメックVPI(現・株式会社アルメック)が特定されました。

実施要領によると、2024年度(令和6年度)までの業務となっています。

 

2022年(令和4年)8月~9月には、平塚駅周辺地区将来構想に関するアンケートが実施されました。

アンケート結果は、HPでも紹介されています。

 

2023年(令和5年)4月1日には、平塚駅周辺地区将来構想検討会議が設置されました。

学識経験者と関係事業者等による11人の構成です。(参加者一覧

 

学識経験者5名は、平塚市内や神奈川県内にある大学の教授などのようです。

関係事業者等は、商工会議所、地元の交通事業者や金融機関の関係者などに見えます。

 

平塚駅周辺地区将来構想の策定終了は、2025年(令和7年)3月31日となっています。

この取り組みに注目したいと考えています。

 

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平塚駅周辺地区将来構想

平塚駅周辺地区将来構想に関して、まとめています。

 

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地域のニーズを満たす機能

再開発の難しい点」で、難易度が高い点の1つに、「再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか」を挙げました。

それではどのような機能を持った施設であれば地域のニーズを満たすことが可能であるか、検討してみます。

 

■商業

耐久消費財や趣味品といった買回り品を中心とした買い物の場として、商業施設を新たに構築します。

中心市街地の再開発では昔から、比較的多く実施されました。

 

しかし現代では、ショッピングモールのような大規模商業施設が郊外に存在し、自動車で買い物に行くスタイルが浸透しています。

このため、中心市街地に設置する単体または複数の商業施設で、郊外の大規模商業施設に匹敵するような魅力を持たせることは、難しくなっています。

 

例えば、辻堂のテラスモール湘南のような郊外のショッピングモールと同等かそれ以上の商業力や魅力を持った施設を用意できるのであれば、その限りではありません。

ですが、平塚駅前で検討されている再開発でそれほどの規模を期待するのは、現実的に難しいと思われます。

 

■住居

駅周辺の再開発で高層部がマンションになることは珍しくなく、恐らく平塚でもそういったケースは出てくると想像されます。

ただ、平塚駅周辺ではここ数年、マンションの建築ラッシュが発生しており、住居が増えることが単純に喜ばしいものになるかは不透明です。

 

また、駅前エリアの人口は増加することになるものの、それが地域の魅力向上に繋がるかどうかは、確実ではありません。

 

■業務

駅周辺にオフィススペースを増やす取り組みは、以前より多くなっている印象です。

しかし、平塚駅前である程度まとまったオフィス需要が存在するのかは、不明です。

 

駅前エリアの昼間人口は増えますが、地域の魅力向上にどの程度の影響を及ぼすのかは、実際にやってみなければ分からない部分が多いです。

 

■文化

採算性などから、民間での取り組みは期待しづらいです。

平塚市や神奈川県などで実施されれば面白いものの、このご時世では過度な期待はできません。

 

■娯楽

エンタメに特化した施設を作るなどといったやり方は、あるのかも知れません。

例えば、東急歌舞伎町タワーのような施設であれば、敷地面積がそれほど大きくなかったとしても、商業などに比べて競争力を持つことができる可能性があります。

 

しかし、大規模ターミナル駅ではない平塚駅前にそのような需要が存在するかというと、かなり怪しい印象です。

 

■宿泊

一棟丸ごとホテルにするのではなく、一部フロアに宿泊機能を持たせるといったやり方は、近年多くなっているように思います。

これも夜間人口と一部昼間人口を増やすことになりますが、地域の魅力向上にどの程度の影響を及ぼすかは不明です。

 

また、そこまでの宿泊需要が存在するか、今後増やせるのかは、分かりません。

 

■教育

文化機能などと同様に面白いとは思うものの、実現のハードルは高そうです。

ただ、サテライトキャンパスのような形では、少し期待が持てます。

 

■インキュベーション

必ずしも再開発で作られた施設でなくてよいのですが、インキュベーション機能を持たせるということは、現代的であり今後に繋がる取り組みであると考えます。

問題は、公的機関でも民間機関でも、主体をどうするかといったところでしょうか。

 

実際には、この中の1つの機能ではなく、複数の機能が組み合わされたものになる可能性の方が高いでしょうか。

どういった機能を持たせれば魅力的な地域が実現できるのか、十分な検討が望まれます。

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平塚駅周辺地区将来構想

2023年度(令和5年度)、平塚駅周辺地区将来構想を策定すると平塚市より発表されています。

「平塚駅周辺地区将来構想」とは、「平塚駅周辺地区の将来のあるべき姿を共有し、民間の投資意欲を高め、敷地の共同化を推進し、持続可能なまちづくりを実現するための構想」と紹介されています。

 

2022年(令和4年)には、この業務委託に係る公募型プロポーザルが実施されました。

5社の応募があり、受託候補者として株式会社アルメックVPI(現・株式会社アルメック)が特定されました。

 

2022年(令和4年)8月~9月には、平塚駅周辺地区将来構想に関するアンケートが実施されました。

アンケート結果は、HPでも紹介されています。

 

2023年(令和5年)4月23日執行の平塚市長選挙では落合市長が再選しましたが、選挙の際には平塚駅周辺地区将来構想を来年度(2023年度)策定し、実現可能な支援策は前倒しして進めると発言されています。

平塚市長選挙の選挙公報

 

平塚駅前で検討されている再開発などとも絡み、どのような将来像が描かれようとしているのか注目されます。

 

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