郊外型の大型商業施設として、2016年10月に天沼に「ららぽーと湘南平塚」が、2023年4月に大神に「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA」がオープンしました。
これら施設の開業以前から中心市街地の商業力は長期的に低下傾向にありましたが、これらの開業は低下を加速させました。
では中心市街地の商業力をこれら郊外型の大型商業施設に対抗できる水準に高められるかと言えば、正直かなり難しそうです。
辻堂駅前のテラスモール湘南のような施設が実現できれば別ですが、可能性は限りなく低いです。
そのような状況で、中心市街地の商業機能の強化を図るには、次のような点が大事になると考えます。
- コンパクト
- 低負担
- 個性的
コンパクトは、「エリア」と「店」があります。
商業機能の強化を図るエリアは分散させず、極力集積させます。
各店は大きくせず、商売が成り立つ範囲で小型化します。
スペースを分割して小さな店を連ねるようなやり方も、有効でしょう。
低負担は、出店に関わる設備投資や家賃といったコストを、極力減らすようにします。
費用負担を抑えることにより、例え開業当初の売上が高くなかったとしても、持続可能性を高めます。
また、残念ながら撤退を選択することがあっても、再起しやすくなります。
出店に補助する場合は、家賃に対しては行わないようにします。
家賃に対して補助するとそれを前提とした事業計画になりやすく、補助が切れた途端に苦しくなることがあるためです。
補助を行うのであれば、一時金の形が望ましいでしょう。
商業機能は、個性をより重視します。
古着のようなリユース品など何らかの切り口で集積を図ることができれば、エリアの個性を高めることも可能です。
3つは、密接に関係しています。
コンパクトであれば低負担になりやすく、低負担にはコンパクトが必要です。
コンパクトで低負担にするには個性が必要で、個性があればコンパクトも低負担も可能になります。
厳しい現状を変え、商業機能の強化を図るのは、容易ではありません。
大事な点を守りながら、手堅く進める必要があると考えています。