まちをダイナミックに変化させることができる再開発ですが、難易度が高い点として主に次のようなものがあります。
- 地権者等の合意形成
- 再開発資金の確保
- 再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか
「地権者等の合意形成」は、言葉通りです。
再開発の対象となる地域に地権者等が複数存在する場合に、全員合意して進められるかということです。
これができない場合、再開発が進められません。
場合によっては反対者を除いて進めることも考えられますが、対象地域が狭くなったり土地の形状が歪になったりと、色々と制約が出てくると考えられます。
「再開発資金の確保」も、言葉通りです。
通常、再開発では既存の建物等を除き、新たに施設を作ることになるため、膨大な費用がかかります。
この資金をどうやって確保するか、頭を働かせる必要があります。
大抵は、金融機関等の融資を利用します。
しかし、借りて終わりではなく、返済の算段を立てておかねばなりません。
(普通、返済の算段がなければ、お金は借りられません)
多くの事例では、施設に商業スペースやマンション等を作り、それを売却や賃貸して得た利益などを活用していると思います。
しかし近年、平塚駅周辺ではマンションの新築が非常に増えており、この手法が成り立つのか分かりません。
(マンションが売れなければ、資金になりません)
自治体等の補助金を活用するケースもありますが、それだけで足りるとは思えません。
お金は、分かりにくい話ではないものの、難しい話です。
「再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか」は、ある意味では一番難しい問題です。
新たな施設が地域に受け入れられ、10年20年と利用され続けることができるかです。
以前は、再開発により駅前に商業施設を作り、中心市街地を活性化させるといった話が多かったと記憶しています。
しかし、商業を中心にした取り組みでうまく行った例があまり多くなかった上、現在は価値観やライフスタイルが一段と変化しており、更に難しくなっています。
再開発は、大きな効果を生み出せる可能性があるものの、リスクも大きいです。
うまく行かなかったとされる例を目にした機会も、少なくありません。
このため、本当によく考えて、進める必要があります。