歩道の問題

2024年11月現在、素案が発表されている「平塚市立地適正化計画(素案)」や「平塚駅周辺地区将来構想(素案)」でも、「歩行者環境」や「ウォーカブル」といった言葉が多く登場します。

日本でも以前より、歩行に対する意識が高まっています。

 

歩行者用の環境である歩道は、平塚は幅が広い箇所が多く、比較的充実していると考えています。

しかし同時に、幾つかの問題点を抱えます。

 

その問題点について、考察します。

 

■自転車の問題

日本の多くで見られる光景ですが、歩道上に自転車の走行があります。

しかも、比較的幅が広いことが逆に災いし、歩道にはふさわしくない速度を出している自転車や、横並びで走っている自転車がしばしば確認されます。

 

そういった問題は市でも認識しているようで、歩道を線や色で区分して自転車を通らせるような取り組みがされています。

しかし、この効果は低く、順守されているとは言い難い状況です。

 

車道に比べれば重大な事故が少なくなるためあまり重要視されていませんが、車道よりルールの徹底が弱くなっているので危険性は高いです。

ウォーカブルのような取り組みを推進するのであれば、この問題の改善は必要と考えています。

 

■自動車の問題

歩道上に自動車が駐停車される問題です。

歩道の幅が比較的広いためか、平塚は多く発生している地域だと考えています。

 

少し変な言い方ですが、自動車が駐停車により自動車に迷惑をかけるのは、仕方がない話と考えています。

しかし、自動車が駐停車により歩行者に迷惑をかけるのは、全くおかしな話です。

 

ルールやハードなど、色々な問題が関係しているのでしょう。

とは言え、ウォーカブルのような取り組みを推進するのであれば、この問題の改善も必要と考えられます。

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平塚駅周辺地区将来構想(素案) 追加感想

2024年8月、「平塚駅周辺地区将来構想(素案)」が公表されました。

 

その時に感想を記しましたが、素案の他にも情報が公表されていることを知りました。

そこで、平塚駅周辺地区の商店会及び自治会の会長を対象としたワークショップの資料「各通り、広場・公園、駅前広場のまちづくりのイメージ案」「平塚駅周辺地区将来構想に係るワークショップ報告書」や、平塚駅周辺地区将来構想検討会議の会議記録に目を通しました。

(会議記録は、平塚駅周辺地区将来構想検討会議のページに掲載されています)

 

全体に対する理解が増したため、追加で感想を記してみたいと考えます。

 

■素案の捉え方(特に「通り・エリアの将来イメージ」)

 

素案は、第一印象で弱く感じましたが、平塚駅周辺地区将来構想検討会議の中でも色々と指摘はあったようでした。

そういった中で、今の形になったと理解しました。

 

特に「通り・エリアの将来イメージ」で弱く感じましたが、「理想を描いたイメージ」の記述が素案にあったので、そのように受け止めるのがよいのかと考えました。

 

■魅力的な店

 

「各通り、広場・公園、駅前広場のまちづくりのイメージ案」から、「魅力的なお店」が多くの通りで必要な都市機能の1位になっていることが分かりました。

 

魅力的な店が人を大きく引きつけるのは間違いないでしょう。

魅力的な店の出店が更に別の魅力的な店の出店を呼び、より大きな効果を生み出すことも期待できます。

 

しかし、平塚駅周辺地区の市場の魅力が乏しいため、現在はそのような店の出店がない訳です。

魅力的な店の出店手段として誘致が考えられているようですが、そのハードルを越えるのは容易ではないだろうと考えます。

 

■図書館?

 

平塚駅周辺地区将来構想検討会議の会議記録からは、紅谷町駐車場の更新に合わせて図書館のような機能を組み合わせることが構想されているように見えました。

(位置は、紅谷町駐車場でない可能性もあります)

 

ただ、2024年9月現在、平塚市中央図書館改修事業のプロポーザルも実施されているようです。(平塚市の案内

実施要領によると事業費用20億円前後で中央図書館の耐震改修を行う計画で、中央図書館は今後の利用も想定されていると考えられます。

このため、平塚駅周辺地区に図書館等ができるとした場合、それがどのような役割等になるのかは分かりません。

 

もし平塚駅周辺地区に図書館等ができるとしたなら、機能やデザインの検討などに市民が多く関わることが望まれます。

よく利用され、評価が高い施設は、時間をかけて市民とワークショップを重ねた、デザインの選定に市民が関与したなど、計画や設計段階から市民が多く関わったものが多い認識です。

 

見附台周辺地区整備のように、計画や設計に市民があまり関与することなく作り上げてしまうのは、できるだけ避けたいです。

 

■関係URL

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平塚のまちづくりに不足するもの

グループ活動等で15年以上、全国各地のまちづくり事例を見て、まちづくりは次のような図に表されると考えています。

 

まちは人によって構成され、構成する人によってどのようなまちになるか決まります。

このため、「まち = 人」と言えます。

 

そして、大事なポイントは「創造的対話」です。

評判になるようなまちは、人が活躍し、創造的対話が見えました。

逆にそうでないまちは、人も創造的対話もあまり見えませんでした。

 

平塚ではどうかと言えば、残念ながら人も創造的対話もあまり見えない方です。

見附台周辺地区整備では、市民アイデアの募集や地域向け説明会などがありましたが、地域や市民の想いが形作られたというより、PFIで提案された内容がそのまま実現したような結果になりました。

(カフェでなくコンビニに変わるなどといったことは、ありました)

 

湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備では、市民アイデア・意見の募集や市民向け説明会などが行われました。

PFIで設置等予定者候補(優先交渉権者)が決定・公表された後には、市民意見募集やWeb市民対話、説明及び意見交換会等が実施されました。

ただそれでも、海岸林の伐採反対といったような意見も根強くあり、幾つかのしこりが残りました。

 

湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備の「「まちづくり」としての評価」で、「民間事業者への公募前や民間事業者からの提案を受けた後に、行政と住民・市民で十分に対話することが望ましい」と記していましたが、特に民間事業者への公募前の行政と住民・市民との十分な対話が大事であると今は理解しています。

 

平塚駅周辺地区将来構想では、アンケートやアウトリーチ(パネル展示を兼ねた意見聴取)が行われています。

ただそれでも十分とは言えず、より一層の創造的対話が実施されることが望まれます。

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平塚駅周辺地区将来構想(素案)

2024年8月、「平塚駅周辺地区将来構想(素案)」が公表されました。

 

 

第一印象は、希望は分かったものの弱く感じました。

何というか、「なる・する」というより、「なったらいいな」といったイメージです。

 

言い方は悪いですが、トレンドを詰め込んだ感はあります。

「平塚」を他のまちの名前に入れ替えても、通用しそうです。

(もっとも、上位の構想なので、似るのが仕方がない点は理解します)

 

通りごとの内容は、さすがに平塚の話と思えました。

ただ、現在の姿から将来イメージにどうやって変えていくつもりなのか、確かな道筋は見えませんでした。

 

全体的に、構想の土台となる対話が十分でない印象はあります。

 

注目は、フラッグシッププロジェクトとされる4つのプロジェクトです。

中でも「紅谷町駐車場」は、素案の中で特に記載がなかったように思いますが、どのような検討がされるのでしょうか。

 

  • 平塚駅北口駅前広場
  • 平塚駅西口周辺
  • 平塚駅南口駅前広場
  • 紅谷町駐車場

 

また、公的施設として図書館を望む声があることも、注目される点です。

平塚市中心市街地戦略再考文化機能の強化で記したように、「図書館を中心市街地に配置し、時代に合った取り組みを行うことにより、文化と中心市街地の両方の機能強化を図れる可能性がある」ため、十分に検討することが望まれます。

 

■関係URL

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課題から見る七夕まつりの持続可能性を高める案(竹飾り編)

第72回湘南ひらつか七夕まつりは、2024年7月5日(金)~7月7日(日)に渡って実施されました。

平塚市の発表では、七夕飾りの本数は前回より増えたそうです。

(平塚市「第72回湘南ひらつか七夕まつりの概要を決定」)

 

  • 湘南スターモール86本(前回76本)、うち市民飾り32本(前回26本)
  • 紅谷パールロード16本(前回16本)
  • 子ども飾り15本(前回15本)

 

ただ実際に歩くと、何となくぽっかりと空いた印象を持った場所も幾つかありました。

 

七夕まつりの持続可能性を高める案」で、「竹飾りの掲出主体を広げる」ことを記しました。

とは言え、実際に行うには容易でない部分も理解します。

そこで、この案について、もう少し踏み込んで検討してみます。

 

竹飾りの制作に必要なリソースで特に大きいのは、「人」と「金」と考えます。

資材の購入などに必要な資金と実際に制作する人です。

 

これを制作(人)と資金に分けて表すと、現在は次のようになると想像します。

 

市民グループは自分達で資金を用意し、制作を行います。

企業も自分達で資金を用意し、制作します。(或いは、制作を委託します)

平塚市または関係する組織は市民グループや企業と繋がりを持ちますが、企業との直接的な繋がりはあまりないかも知れません。

 

七夕まつりの持続可能性を高めるためには、この関係を次のようにします。

 

つまり、制作グループと企業の繋がりを作ります。

制作グループが主に制作をカバーし、企業が資金をカバー・支援します。

「市民グループ」を「制作グループ」に変えたのは、「七夕まつりの持続可能性を高める案」の「竹飾りの掲出主体を広げる」で広く門戸を開放するとしたためです。

 

制作グループと企業で役割を完全に分けるということではないです。

制作グループと企業で資金を折半するケースもあれば、企業が制作にも関係するといったケースもあり得ます。

両者にとって最適な形を追求することになります。

 

ただ企業も、容易に資金を提供することはないでしょう。

この関係を築くには、制作グループの熱意と企業にとって支援すべきであると感じられるかが大きなポイントになりそうです。

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