中心市街地の機能強化

中心市街地戦略(案)」の「中心市街地の機能設定」で、平塚市の中心市街地で必要な機能を検討しました。

そこで、平塚市の中心市街地戦略として、これらの機能を強化することで中心市街地の魅力を高められるか、検討してみます。

 

■交通結節機能

現在でも、交通の結節点となっています。

交通利便性を高めることは可能だと思いますが、結節機能を高めるには施設や車両の整備などが必要となり、容易ではなさそうと考えられます。

 

■商業機能

郊外型の大型商業施設として、2016年10月に天沼に「ららぽーと湘南平塚」が、2023年4月に大神に「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA」がオープンしました。

2024年には、黒部丘にスーパービバホームの開業が計画されています。

車社会でもある平塚で、これらに対抗できるような商業機能を中心市街地に改めて持たせることは、かなりハードルが高そうです。

 

■業務機能

新型コロナウイルス禍の間とその後、東京都心から企業が移転する動きが見られました。

平塚でも、横浜ゴムの本社機能の移転がありました。

しかし、中心市街地に業務機能のニーズが高まったとは言い難く、機能強化が有効であるとは言えないかも知れません。

 

■居住機能

新型コロナウイルス禍の間とその後に、中心市街地とその周辺に多くのマンションやアパート、一戸建てが新たに建てられ、現在も作られています。

このため、中心市街地とその周辺地域の住民は、大きく増加したと考えられます。

 

■娯楽・文化機能

機能強化により中心市街地の魅力を高めることができそうですが、施設整備などが必要になる可能性があります。

 

■観光・案内機能

平塚市の観光地としての魅力が大きく変わっておらず、機能強化に限りがありそうです。

イベント等の実施により強化できる可能性はありますが、その効果が一時的でなく永続するものであるか十分検討する必要があります。

 

■交流機能

現在の中心市街地にあまり存在しない機能かも知れませんが、強化することで高められる可能性はあります。

他機能に影響を与えるものの、独立しているような面もあります。

 

■公共サービス機能

ラスカ平塚に平塚市駅前市民窓口センターが作られましたが、施設の移転を伴うような大規模な変更は、現状では難しいと考えられます。

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データで見た中心市街地の状況

公開されているデータを基に、中心市街地の状況を確認します。

平塚市中心市街地戦略(案)」で用いた、平塚市中心商店街通行量調査を使用します。

 

「商店街振興施策の基礎資料とするため、市内中心商店街の通行量を把握することを目的」に調査されたデータです。

最新版として、令和4年度が存在しました。

 

平日と休日の調査日を設定し、歩行者(自転車を含む)通行量を計測しています。

対象時間は、10~19時の9時間です。

 

調査地点は、次のようになります。

平塚市「令和4年度平塚市中心商店街通行量調査報告書」より

 

令和4年度の実施は、平日が2022年12月2日(金)、休日が12月4日(日)です。

調査結果は、次のようになっています。

平塚市「令和4年度平塚市中心商店街通行量調査報告書」より

 

報告書の中には、経年変化比較表があります。

平成2年から令和4年までの間にある12年を、経年変化で表したものです。

 

経年変化比較表は、次のようになります。

平塚市「令和4年度平塚市中心商店街通行量調査報告書」より

 

これらの情報より、確認できることです。

 

■一部の地点を除き、長期的に通行量が減少傾向にある

平塚市中心市街地戦略(案)」の「平成28年度平塚市中心商店街通行量調査結果」と同じです。

平成2年と令和4年の両方のデータが存在する「1 家系ラーメン壱角家前」から「15 久保田肉店前」までを比較すると、平日は合計で39,230人、休日は47,315人減少しています。

 

令和4年の方が平成2年より通行量が増えた地点は、平日は3地点、休日は4地点です。

逆に通行量が減った地点は、平日は12地点、休日は11地点です。

 

参考までに、グラフで表してみます。

通行量が増加傾向にある地点も一部存在しており、令和4年は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮する必要があるものの、全体的には減少傾向にあることが確認できます。

 

平日です。

 

休日です。

 

■平日の方が通行量の多い地点が多い

これも、「平塚市中心市街地戦略(案)」の「平成28年度平塚市中心商店街通行量調査結果」と同じです。

 

調査結果に「平日休日比較」といった項目があり、平日の方が通行量が多い地点が多いことが確認できます。

令和4年の調査対象の18地点で、平日の方が休日より通行量が多い地点は13、休日の方が多い地点は5でした。

 

■休日の方が通行量が減少している地点が多い

平塚市中心市街地戦略(案)」の「平成28年度平塚市中心商店街通行量調査結果」と同じです。

 

平成2年と令和4年の両方のデータが存在する「1 家系ラーメン壱角家前」から「15 久保田肉店前」までを用いると、平成2年は休日の通行量の方が1,667人多いです。

また、休日の方が通行量が多い地点は7、平日の方が多い地点は8でした。

 

一方、令和4年は、平日の通行量の方が6,418人多いです。

休日の方が通行量が多い地点は5、平日の方が多い地点は10となっています。

 

■特に中心部で通行量が減少している

平成2年と令和4年の両方のデータが存在する15地点に対して、通行量の変化に応じて着色してみました。

令和4年の方が平成2年より通行量が増えた地点は青色で、減った地点は赤色です。

 

平日です。

 

休日です。

 

これから分かるように、湘南スターモールやパールロードといったメインストリートを含む中心部で通行量が減少しています。

逆に通行量が増加しているのは、その周辺です。

 

数値で確認すると平日は、「2 梅屋駅前館前」が42%近く、「4 旧みずほ証券前」が57%、「6 KICONA前」が49%近く、「7 BIG ECHO前」が41%近く、「10 田中紙店前」が31%近く減少しています。

休日は、「2 梅屋駅前館前」が41%、「4 旧みずほ証券前」が61%、「6 KICONA前」が50%近く、「7 BIG ECHO前」が57%、「10 田中紙店前」が36%の減少です。

 

平塚市中心市街地戦略(案)」でも中心市街地の空洞化や衰退を確認していましたが、悪化は止まってないと考えられます。

 

■関係URL

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平塚市中心市街地戦略再考

平塚市中心市街地戦略再考に関して、まとめています。

 

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概要

2019年、「平塚市中心市街地戦略(案)」を記しました。

空洞化や衰退が進む平塚市の中心市街地で、どのような戦略が考えられるか検討したものです。

 

しかしその後も、中心市街地の空洞化や衰退は進みました。

ラスカ平塚では空き区画を目にし、ユーユー梅屋本館は閉館し、ユーユー梅屋(駅前館)はフロアの空きが目立ちます。

公園通りでは旧東海道以南でも大型の空き店舗が続出し、湘南スターモールや紅谷パールロードでも空き店舗や閉店した店を多く目にします。

 

2020年代前半の新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、大きかったと考えられます。

その上、「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA」といった郊外型大規模店舗の開業もありました。

ですが今後も、JT跡地の「スーパービバホーム湘南平塚」などが計画されています。

 

平塚市の中心市街地の未来で、どのような解が考えられるのか。

平塚市中心市街地戦略(案)を振り返りながら、検討したいと思います。

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道路の陥没

特定の場所ではなく、たまに見られる道路の陥没です。

 

よほど大きくなければ、自動車では問題にならないかも知れません。

ですが、二輪車や自転車、歩行者にとっては、非常に危険になるケースがあります。

夜間や雨天といった状況によっては、不幸にも大怪我に繋がることもあるでしょう。

 

このような存在を確認した場合は、「平塚市道路通報システム(みちれぽ)」を使って市に連絡することが望まれます。

しかし、システムの性格上、陥没に対する対応は受動的です。

連絡がなければいつまでも放置される、存在の認知から対応までに間が空くといったような問題はあります。

 

海外の道路状況はもっと悪いといった話も耳にします。

とは言え、大怪我や大事故に繋がる可能性のある問題であり、現状のままでよいとは言い難いです。

 

大量の自動車の走行データを活用して、道路の劣化状況を検知しようとする取り組みが進んでいるところもあります。

しかし、こういった取り組みが幅広い自治体でカバーされるには、まだまだ時間がかかりそうです。

 

この問題に対する意識という点では、自治体でも差があるかも知れません。

残念ながら、まずは自分の身は自分で守る、注意するのが、基本になりそうです。

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