七夕まつりの持続が困難になっている理由

七夕まつりの持続が困難になっている理由は、幾つか存在すると考えます。

その中の大きなものの1つが、中心市街地の商業力や魅力の低下です。

 

平塚の七夕まつりを有名にした大きな竹飾りの掲出は、中心市街地の商店が主体となって行われてきました。

このため、中心市街地が賑わい、商業に活気があった頃は、竹飾りの掲出が盛んに行われました。

 

しかし、モータリゼーションによる郊外型商業の進展、高度経済成長の終焉やバブル崩壊、人口動態の変化などによる日本経済の低迷等の影響を受け、中心市街地やそこに位置する商店の活力や体力は失われていきました。

そしてそれは、七夕まつりにも影響したとなります。

 

シンプルに図で表してみると、次のようになります。

 

昔、商店は、豪華な竹飾りを競うように掲出しました。

その竹飾りは話題となり、中心市街地と商店の集客や知名度向上に大きく影響しました。

集客や知名度向上によって売上を得た商店は、翌年以降も竹飾りに投資ができました。

 

しかし、中心市街地や商店の商業力や魅力の低下により、竹飾りの掲出が商店の売上にあまり寄与しなくなりました。

そこで、体力が乏しくなった商店は、竹飾りへの投資が難しくなりました。

 

七夕まつり自体の集客力は、以前と大きくは変わらないのかも知れません。

しかし、竹飾りの掲出主体であった中心市街地の商店の体力が失われたことにより、七夕まつりそのものが持続可能でなくなりました。

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新スタジアムに関する発表

2023年1月14日、ひらしん平塚文化芸術ホール湘南ベルマーレの「2023シーズン新体制発表会」が行われました。

その冒頭で、新スタジアムに関して発表がありました。

(発表会の動画「2023シーズン新体制発表会 YouTube版 Presented by リップルコミュニティ」)

 

今まで、ファン・サポーター向けのイベント「ベルマーレ クラブカンファレンス」で部分的に発表されていたことはありますが、公開の場では初めてではないかと思います。

 

主な内容です。

  • サッカーなどの他、普通にコンサートができるスタジアム、文化施設にする
  • 3箇所の候補の中で、委員の投票で優先順位を付けた
  • 第1候補は平塚市で、総合公園内もしくは近隣
  • 約半年の期限を区切り、行政などと交渉
  • 平塚市長に報告した
  • 防災公園としてリニューアル、防災拠点としてのスタジアムにする
  • 湘南メディアスタジアムという会社が中心となって行う

 

コロナ禍でも取り組みは進んでいたものの、新たなステージに突入しました。

これからは、目に見える形で進むこともありそうです。

 

実現に向けたハードルは、決して低くはないでしょう。

大きなものでは、次のようなものが考えられます。

 

  1. スタジアム建築のための広さの土地が確保できるか
  2. スタジアム建築のための資金が確保できるか
  3. スタジアムを維持するだけの採算が確保できるか

 

そこで、民間の投資家と共に、行政の協力を求めるようです。

 

平塚にとっては、何十年、何百年に一度の、大きな選択になりそうです。

共に実現を目指す場合、土地や資金などで小さくはない協力を求められるでしょう。

関係して動くことになる市役所の職員なども、多くなると考えられます。

 

しかし、実現できた場合は、スタジアムの増席分だけサッカー観戦者が増える可能性があり、万人単位のコンサートが開催できるようになることで、来街者数に大きな影響がありそうです。

市の知名度やイメージも、大きくアップすると想像されます。

 

一方で、実現を断念した場合、湘南ベルマーレのホームスタジアムが市外に流出する可能性があります。

単純に考えても、今までのサッカー観戦者の来街はなくなります。

ただ、新スタジアムに関わるリスクや負担は、避けることができます。

 

いずれにせよ、市としてどういう選択をするかだと思います。

この機会を逃さず、ギリギリまでチャレンジすべきではないかと考えますが、平塚市と平塚市民はどのように判断するでしょうか。

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平塚と湘南

平塚しってもらい隊で、「平塚は湘南であるか?」という企画を実施しました。

せっかくなのでそのデータを用いて、平塚と湘南について考えます。

 

企画を簡単に説明すると、「平塚は湘南であるか?」を確認するため、日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」を使って「『湘南』のイメージに関するアンケート」を行いました。

「葉山」「逗子」「鎌倉」「藤沢」「茅ヶ崎」「平塚」「大磯」「二宮」「小田原」の相模湾沿いの地域が「湘南」に含まれると思うかどうか、「思う」「どちらかと言えば思う」「分からない」「どちらかと言えば思わない」「思わない」の中から選んでもらうものです。

 

結果は、次のようになりました。

この結果と自由記述の回答から、平塚と湘南を考察します。

 

平塚のスコアは、「茅ヶ崎」「藤沢」「逗子」「鎌倉」に次いで上から5番目で、9地域の中で真ん中の位置づけでした。

茅ヶ崎や藤沢に比べると、大きく引き離されていると言える結果でした。

 

その理由を探るため、自由記述の頻出語に注目しました。

これを用いて、他地域と比較してみたのがこちらです。

 

頻出語 藤沢 茅ヶ崎 平塚
海・海岸・ビーチ
サーフィン・サーファー
サザンオールスターズ    
江の島    
若者  
湘南ナンバー
江ノ電    
マリンスポーツ
ヨット・船
カフェ、レストラン  
加山雄三    
湘南市・湘南市構想
湘南爆走族
おしゃれ  
賑やか  
活気  
開放的・自由
ヤンキー
ちゃらい・チャラチャラ
やんちゃ

 

◎は「強い特徴を持つ」、〇は「特徴を持つ」、△は「特徴を持つかも知れない」として付けています。

-は、情報が限られて判断できなかったものです。

 

独断で付けているため、多少異なると思われる箇所があるかも知れません。

しかし、大きく外れていることはあまりないのではないかと考えます。

 

平塚は、「サザンオールスターズ」「江の島」「江ノ電」「加山雄三」のような強い特徴を持つ存在が乏しいというのはありそうです。

シンボルの有無は、イメージの形成に大きく影響しそうです。

 

また、「おしゃれ」「賑やか」「活気」などといった点で、藤沢や茅ヶ崎より弱いところはありそうです。

この辺のイメージをどう醸成していくかというのは、大きな課題であろうと考えます。

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「まちづくり」としての評価

市が行う「まちづくり」として、「湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備」と「見附台周辺地区整備」を比べて考えることがあります。

 

どちらの拠点整備事業も、PFIを活用しています。

公募によって民間事業者から施設の提案を受け、選定委員会が審査し、優先交渉権者を決定してデザインを策定するといった流れは同じです。

 

異なるのは、その後です。

見附台周辺地区整備では、市民向け説明会を経て竣工までしました。

湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備では、市民意見募集やWeb市民対話等が実施され、説明及び意見交換会を経て工事着手が延期となり、見直しプランの公表がありました。

2022年11月現在、工事は着手されていません。

 

見附台周辺地区整備は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあったものの、比較的スムーズに進んだと思われます。

一方、落ち着いた景観は大きく失われ、事業者の当初提案と異なった箇所もあり、住民や市民の意向が十分に反映されているか判断が難しいところがあります。

 

湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備は、当初の計画からは大幅に遅れています。

一方、意見交換会やプランの見直しは大変なものの、できるだけ住民や市民の意向を反映させようとしていると捉えることもできます。

 

恐らく役所内では、見附台周辺地区整備の進め方の方が望まれやすく、評価されやすいのではないかと想像します。

ですが、「まちづくり」の観点では、結果的に住民や市民の意向が多く反映された湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備の方を評価したいです。

 

とは言え本当であれば、もっと早い段階の反映を重視すべきでしょうか。

民間事業者への公募前や民間事業者からの提案を受けた後に、行政と住民・市民で十分に対話することが望ましいと考えます。

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再開発の難しい点

まちをダイナミックに変化させることができる再開発ですが、難易度が高い点として主に次のようなものがあります。

 

  • 地権者等の合意形成
  • 再開発資金の確保
  • 再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか

 

「地権者等の合意形成」は、言葉通りです。

再開発の対象となる地域に地権者等が複数存在する場合に、全員合意して進められるかということです。

 

これができない場合、再開発が進められません。

場合によっては反対者を除いて進めることも考えられますが、対象地域が狭くなったり土地の形状が歪になったりと、色々と制約が出てくると考えられます。

 

「再開発資金の確保」も、言葉通りです。

通常、再開発では既存の建物等を除き、新たに施設を作ることになるため、膨大な費用がかかります。

この資金をどうやって確保するか、頭を働かせる必要があります。

 

大抵は、金融機関等の融資を利用します。

しかし、借りて終わりではなく、返済の算段を立てておかねばなりません。

(普通、返済の算段がなければ、お金は借りられません)

 

多くの事例では、施設に商業スペースやマンション等を作り、それを売却や賃貸して得た利益などを活用していると思います。

しかし近年、平塚駅周辺ではマンションの新築が非常に増えており、この手法が成り立つのか分かりません。

(マンションが売れなければ、資金になりません)

 

自治体等の補助金を活用するケースもありますが、それだけで足りるとは思えません。

お金は、分かりにくい話ではないものの、難しい話です。

 

「再開発で作られた施設が、地域のニーズを満たすか」は、ある意味では一番難しい問題です。

新たな施設が地域に受け入れられ、10年20年と利用され続けることができるかです。

 

以前は、再開発により駅前に商業施設を作り、中心市街地を活性化させるといった話が多かったと記憶しています。

しかし、商業を中心にした取り組みでうまく行った例があまり多くなかった上、現在は価値観やライフスタイルが一段と変化しており、更に難しくなっています。

 

再開発は、大きな効果を生み出せる可能性があるものの、リスクも大きいです。

うまく行かなかったとされる例を目にした機会も、少なくありません。

 

このため、本当によく考えて、進める必要があります。

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