見附台周辺地区整備によって文化芸術ホールを始めとする施設が誕生するのに合わせて、東海道本通り線(市民プラザ前交差点~見附台周辺地区)と見附町7号線において、歩道の美装化や無電柱化等の景観整備が行われることになりました。
平塚市「東海道本通り線等景観整備 道路デザインの概要」より
良好な道路空間形成を目的とした景観整備は、望ましいです。
しかし、歩行空間と自転車の走行空間の整備では、問題があるように考えています。
歩道の整備計画として、最終的には次のように決定されました。
平塚市「東海道本通り線等景観整備 道路デザインの概要」より
見附町7号線では、歩行は歩道、自転車の走行は車道となっており、歩行者と自転車が分離されています。
一方、東海道本通り線では、歩行者は歩道の歩行者ゾーン、自転車は歩道の自転車ゾーンを通行するとなっており、歩行者と自転車を歩道上に共存させることになりました。
正確には、通行位置の明示により、歩行者と自転車を分けようとしています。
平塚市「東海道本通り線等景観整備 道路デザインの概要」より
しかし、こういった方法でうまく行っている例は、残念ながら耳にしていません。
平塚市内でも「プラザロード」や「さくら通り」など幾つかの歩道で歩行者と自転車の通行位置の明示が行われていますが、守られているとは言い難いです。
「平塚市自転車活用推進計画」では、「自転車走行空間の整備形態」が示されています。
この「整備形態の選定基準」を踏まえると、東海道本通り線では「自転車専用通行帯(自転車レーン)」の整備を目指すのが適当のように考えます。
平塚市「平塚市自転車活用推進計画」より
歩行空間と自転車の走行空間に関して、市民意見でも複数の指摘がありました。
ですが、道路の再配分は行わず、このような計画となったとの回答でした。
平塚市「東海道本通り線景観整備・道路デザイン素案説明資料」
以前より市内でも歩行者と自転車の通行が多い通りでしたが、近年は地区整備に伴うスーパーの開業などによって更に多くなった印象です。
加えて、文化芸術ホールのオープンによる来訪者も増える見込みということで、歩行者や自転車に関するトラブルの増加が懸念されます。
また、見附町7号線は自転車は車道走行、東海道本通り線は歩道(自転車ゾーン)走行可ということで、ちぐはぐな印象を拭えません。
歩行空間と自転車の走行空間に関して、平塚市でも日本でも、より一層本気で考える必要があるのではないでしょうか。
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