平塚市の中心市街地で、ターゲット設定を行います。
特に、次のようなターゲットを重視すべきと考えられます。
■女性
女性を重視する主な理由として、次のようなものがあります。
- 日常生活における買い物では、男性より女性の方が中心である
- 平日日中、中心市街地にいる男性は、限られる
- バスの利用は、女性の方が割合が高い
1は、商業機能に関係した話です。
例えば、日経新聞の2018年の調査では、「食料品や生活必需品といった普段の買い物については、妻が強い夫婦は63.9%に対し、夫が強い夫婦は12.9%」という結果が出ており、「妻が日常の財布のひもをしっかり握っている」と判断されています。
これはあくまでも一例ですが、中心市街地における商業機能を考える際にも、ターゲットとして女性への考慮が大切です。
2は、男性は中心市街地から離れて働いている人が多く、平日日中はあまりおりません。
横浜や東京といった遠隔地での就業も多いでしょう。
女性も同様なケースは多いと考えますが、男性に比べると比較的近いエリアで働いている人が多いように想像します。
また、総務省の労働力調査では、2018年平均の非労働力人口(15 歳以上の人口のうち「就業者」と「完全失業者」以外の者で、「通学」、「家事」、「その他(高齢者など)」が含まれる)とその比率は、次のようになっています。
性別 | 15歳以上人口 | 非労働力人口 | 非労働力人口比率 |
男 | 5362万人 | 1542万人 | 28.8% |
女 | 5739万人 | 2721万人 | 47.4% |
参考程度ではありますが、主要な就業時間帯である平日日中のターゲットとしては、男性より女性の方が適当そうです。
但し、通勤時間帯と夜間に関しては、男性も多くなります。
休日は、男女に大きな差は考えていません。
3は、平塚市内から中心市街地への交通手段を、バスとして捉えた場合の話です。
(それ以外の手段では、男女に大きな差はないかと考えています)
国土交通省の全国都市交通特性調査によると、男女別・移動の交通手段別構成比の結果では、平日・休日とも男性より女性の方がバスの構成比が高くなっています。
国土交通省「全国都市交通特性調査 平成27年調査 調査結果(冊子)」より
このため、バスの構成比が高い女性をターゲットにする方が、効果的であると考えられます。
(他の交通手段は、目的地としての中心市街地の選定に、直接的に影響しないという認識です)
■若者
若者を重視する主な理由は、次のようなものがあります。
- 若者が集まるまちは、活気が生じる
- 時間帯は限られるものの、平日日中に中心市街地を利用しやすい
- 自動車等の免許がないと、バスの利用割合が高くなる
1は、若者が多いまちと少ないまちを比較すると、イメージしやすいです。
やはり、若者が多くいるまちの方がエネルギーに満ちており、新しいものや創造的なものが生まれやすいです。
店舗や施設等も、若者や流行に合わせて変化します。
2は、若者は、学生も多いです。
就業者などに比べると、平日であっても放課後や授業のない時間帯に、中心市街地を利用することができます。
3は、女性のケースと同様に、平塚市内から中心市街地への交通手段をバスとして捉えた場合の話です。
国土交通省の全国都市交通特性調査によると、免許有無別・移動の交通手段別構成比の結果では、平日・休日とも「免許あり」より「免許なし」の方がバスの構成比が高くなっています。
国土交通省「全国都市交通特性調査 平成27年調査 調査結果(冊子)」より
若者には免許が取得できない年齢層が含まれ、バスの構成比が高くなると判断されます。
このため、若者をターゲットにすることが、効果的であると考えられます。
他のターゲットとしては、「高齢者」などが考えられます。
しかし、現在の日本においては、高齢者を考慮することは当然のことと考えられるため、ここでは特に設定していません。